インタビュー

「KNOCK OUTだからこそ 味わえる勝利の風景を」 NINJA SOLDIER・宮越慶二郎

 

 

「こんなはずじゃなかったのに」

昨年4月1日、東京・大田区総合体育館。森井洋介に2ラウンドKO負けを喫した宮越慶二郎は奈落の底へと突き落とされた。
舞台はKING OF KNOCK OUT初代ライト級王座決定トーナメント一回戦。1ラウンド、宮越は森井の左からの右フックで先制のダウンを喫した。さらに左で2度目のダウンを奪われたが、いずれも見えなかったと振り返る。

「パンチが速かったのか、それとも僕が緊張していたのか。だいたい1ラウンド目はスウェーでかわしたりして様子を見るんですけど、今回はそういうわけにはいかなかった」

焦った。その一方で「これはチャンスだ」と開き直る自分もいた。
「(とどめを刺そうとして)森井は出てくるので、そこを狙ってやろうかと思いました。そうしたら、セコンドから『このラウンドは耐えろ』という指示が聴こえてきた。自分は行きたかったので、ちょっと戸惑ってしまいましたね」
2ラウンドになっても、宮越には2度ダウンを奪われたダメージが残っているように見えた。その刹那、左フック決められると、一瞬目の前は真っ白になった。
気がいたら、キャンバスに倒れている自分がいた。0分18秒、KO負け。ここまで徹底的に効かされたのは初めての経験だった。

実をいうと、一昨年末宮越は椎間板ヘルニアを患い、一時は満足に歩くことすらできない状態が続いていたという。
それにしても、なぜヘルニアに?
「もともと自分は腰痛持ちでヘルニアになりやすい体型みたい。自分では(学生時代に)バスケットボールをやっていたことが原因かなと思ったけど、なりやすい姿勢らしく、試合(を重ねることで)限界を超えてしまったようです」
2か月も練習出来なかったので宮越は手術をしようと決心。入院したが、手術をする直前に奇跡的に快方に向かう。担当の医師は「今のままだと手術をしない方がいい」と薦めたので、メスを入れることを回避した。ロードワークがなんと気持ちいいことか。以前は当たり前だと思っていた、思い通りに練習できることの幸せを噛みしめた。不安はなくなったので、宮越はトーナメント参戦を決める。森井に勝つ自信もあった。

「ありがたいことに注目されていたし、自分のためのトーナメントだと思っていました」
宮越はWBCムエタイ インターナショナルライト級王者。ニックネームのメタル・ニンジャは趣味のメタル音楽と忍者のような素早い動きを重ね合わせたものだ。森井戦の前には羅紗陀とのNJKF頂上対決を制したばかりか、現在RISEで猛威を振るうチャン・ヒョン・リーにも中国で勝利を収めている。さらに水落洋祐、花田元誓、高橋幸光らからも白星を得ているので、KNOCK OUTが宮越を優勝候補にあげるのは至極当然のことだったが、勝負の世界は非情だった。

森井戦の直後、中国発のキックボクシングイベント『クンルンファイト』からオファーが舞い込んだ。宮越のモットーは所沢から世界へ。それだけ生まれ育った埼玉県所沢市に愛着を持つ。それを具現化するように、それまでクンルンでは5回もファイトして、4勝1敗という好成績を残している。唯一の黒星も、際どいスピリットデシジョンだった。
クンルンファイトでこれだけのレコードを残した日本人キックボクサーはいない。急なオファーだったが、宮越は快諾した。
「なんかムシャクシャしていたので、スカッとしたいと思ったんですよ」
不安がなかったといった嘘になるが、5月14日、″中国のハワイ″海南島で行われた観衆2000人規模の大会で中国人選手を相手に宮越は普通に勝利を収め再起を飾った。
「中国人選手が相手だとブーイングが飛ぶけど、僕は気にしない。言葉もわからないし。試合が終わったら、ビーチに入りました。(海外遠征は)普段自分のお金ではいけないようなところに行けるのが楽しみ」

しかし、そこからがまた地獄だった。初参戦となったシュートボクシングでは同プロモーションが売り出し中の海人、続いてホームのNJKFではムエタイの強豪テーパブットに連敗を喫してしまったのだ。
「海人戦は試合内容はよかった。最後にヒジで斬られたのは油断があったと思うけど、次につながる感じの一戦だった。でも、タイ人との一戦は何もできずに(再びヒジで斬られて)終わってしまった」
5年ぶりの連敗に気持ちは落ちるところまで落ちた。
「もう試合をしたくない」
「引退しようかな?」とさえ思った。
そんな宮越を救ったのは連敗しても、変わらずに応援してくれる周囲のサポートだった。

「ここで諦めるのは簡単だけど、もう一回成り上がるのもカッコいいんじゃないか」

2017年はプロになって最悪の1年だったが、現実は現実として受け止め、前に進むしかなかった。物事を前向きに考えられるようになった矢先にKNOCK OUTから久しぶりにオファーが届いた。

「ほかのライト級の誰かと組まれるのではないか」という予想とは裏腹に、新日本キックボクシング協会の元日本フェザー級&バンタム級王者の重森陽太との一戦が組まれた。KNOCK OUTならではの異次元対決だ。
宮越は気持ちを引き締めた。
「海人選手もそうだったけど、重森選手もピンサヤームに勝って勢いがありますからね」 重森は長身で、宮越より7㎝も身長が高い。これだけの身長差があると、大きい方が有利だ。宮越も長身の相手は苦手と言ってはばからない。「僕は2戦連続ヒジで負けているので、彼も絶対ヒジを狙ってくると思う。意地を見せないといけない」
重森が森井と比べるとやりにくい相手ということを語っていたと伝えると、宮越はたぶん僕は変に動くからだと思うと分析した。
「ムエタイにはないスタイルだから、何をしてくるかわからないでしょう」
今回も得意の忍者スタイルで惑わせる?
「惑わせたいですね(ニヤリ)。重森選手がやりにくいことをどんどんやっていきたい。選手は″色″がないとつまらない。僕は自分の色を持っている自信がある。その色を見せながら勝ちたい。いま一番ほしいのは結果。リング上からKNOCK OUTだからこそ味わえる勝利の風景を見てみたい」
もう踏み台になるなんてまっぴら御免だ。

 

布施鋼治  Koji Fuse
1963年7月25日、札幌市出身。得意分野は格闘技。中でもアマチュアレスリング、ムエタイ(キックボクシング)、MMAへの造詣が深い。
取材対象に対してはヒット・アンド・アウェイを繰り返す手法で、学生時代から執筆活動を続けている。
Numberでは’90年代半ばからSCORE CARDを連載中。2008年7月に上梓した「吉田沙保里 119連勝の方程式」(新潮社)でミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。
他の著書に「東京12チャンネル運動部の情熱」(集英社)、「格闘技絶対王者列伝」(宝島社)、「なぜ日本の女子レスリングは強くなったのか ~吉田沙保里と伊調馨~」(双葉社)などがある。

 

KNOCK OUT SAKURA BURST

KNOCK OUT SAKURA BURST

◆日 時◆
2018年4月14日(土)   開場16:00開始17:00

◆会 場◆
カルッツ川崎(http://culttz.city.kawasaki.jp/

◆アクセス◆
〒210-0011 川崎市川崎区富士見1-1-4
TEL:044-222-5211

 

【電車】

JR『川崎駅(東口)』・京急『京急川崎駅』より徒歩15分

川崎駅-カルッツかわさき 徒歩15分

京急川崎-カルッツかわさき 徒歩14分

 

【バス】


(掲載元:http://www.city.kawasaki.jp/820/page/0000024130.html

川崎駅東口バスターミナルより乗車5分『教育便化開館前』下車すぐ

川崎市営バス(系統番号:川04・川05・川07・川10・川13・川15)

臨港バス(系統番号:川02・川03)

主なバス乗り場・・・・11・12・13・14・15番

◆主 催◆

株式会社キックスロード

◆協  力◆

ぴあ株式会社 株式会社RIKIX 株式会社ブシロード

◆協 賛◆

ダイヤモンドブログ AINEXX    しろくろジョーカー

◆入場料金 (消費税込み)◆

アリーナS       17,500円(当日18,000円)
アリーナA          13,500円(当日14,000円)
アリーナB       8,500円(当日9,000円)
1FスタンドA      7,500円(当日8,000円)
2FスタンドB     4,500円(当日5,000円)
小中高(当日のみ) 2,000円(当日のみ)

2018年2月12日(祝月)先行受付開始(特典付き)
2018年2月24日(土)一般発売開始

◆チケット発売所
チケットぴあ                             0570-02-9999(Pコード)
http://w.pia.jp/t/knockout-sb/
ぴあカウンター、サークルKサンクス各店、セブンイレブン各店

RIKIX03-3718-2353

◎お問い合わせ :キックボクシングイベント「KNOCK OUT」 https://knockout.co.jp/