インタビュー

『KNOCK OUT CHAMPIONSHIP.2』「最強チーム」橋本道場座談会

「橋本道場がKNOCK OUTで3連勝しよう!」
「最強チーム」橋本道場座談会
宮元啓介、安本晴翔、与座優貴(映画「きみの瞳が問いかけている」出演)

9月13日(日)、東京・後楽園ホールで開催される「KNOCK OUT CHAMPIONSHIP.2」。この大会で3人揃って強豪選手と戦うのが橋本道場勢だ。

 「ザ・サイクロン」宮元啓介は、強打の栗秋祥梧と激突。「サイレントアサシン」安本晴翔は、ヒジ打ちが最大の武器の「最強センセイ」ウィサンレックMEIBUKAIとREDルール(ヒジあり)で。「極真空手世界王者」与座優貴は、日本人で唯一GLORYと契約する「世界のKUBO」久保政哉との「世界対決」に臨む。

 「強いヤツと戦って、倒して、さらに強くなる」のが橋本道場のスタイル。決戦を控えた3選手の座談会では、意外な素顔も見えてきた。

 与座優貴の「きみの瞳が問いかけている」撮影秘話も。

 

橋本道場恒例のVサインで。左から与座、宮元、橋本師範、安本。

 

 

――宮元選手と安本選手は、知り合った時が高校生と小学生になるんですね。

安本 そうですね。僕が最初に入ったのがウィングスキックボクシングジムで(*埼玉県所沢市にある橋本道場の支部)。

宮元 僕はずっと空手をやっていて、キックをやりたくて橋本道場に高校生の頃に入門して、家が近いのでウィングスに通っていたんです。

安本 よく覚えてるのが沖縄遠征。僕は一人で参加したんですけど、一人部屋が怖くて(苦笑)。

宮元 ドアの外に、晴翔がキャリーバッグを持って立ってて「一緒に寝よう」って言われて、一緒のベッドで寝た記憶があります(笑)。

――当時の安本選手の印象は?

宮元 ジム内を走り回ってて「すげえ元気な子だな」っていう(笑)。練習しないでずっと走り回って遊んでいるんです(笑)。

安本 全然練習してなかったです(笑)。道場が遊び場みたいな感じで(笑)。

――小さい子供には無理に練習させず、遊ばせて「道場は楽しい」と教えるのが橋本師範のやり方ですよね(笑)。与座選手は昨年橋本道場に入門。

与座 空手をやりながら、キックの試合動画をよく見ていたので、橋本道場に出稽古に来た時はYouTubeで観た人たちと一緒に練習して、スパーリングも出来るんだって思いましたね。全体的に怖いイメージもあったんですけど、実際は全然そんなことなくて。啓介さんには首相撲とかいろいろと足りない技術も丁寧に教えて貰えました。

――以前、宮元選手と橋本悟選手で「橋本道場対談」をした時は「入門した頃、道場の雰囲気が怖かった」と口を揃えていましたけど、今はそんなことはないんですか?

宮元 そうですね。

安本 啓介さんより上の人たちが怖かったです。

宮元 元々、自分も怖いタイプではないですし(笑)。

――なるほど。では、最年長の宮元選手から見た安本選手、与座選手というと?

宮元 晴翔はあっという間に大きくなって(笑)。イメージは、道場を走り回ってるわんぱくな晴翔のままなんですけど、いつの間にか練習でやり合えるようになってて、成長を感じますね。

――グンと伸びた時期はありました?

宮元 いえ、晴翔は子供の頃から強かったので、そのまま上に来たっていう感じです。

――安本選手はまだ身長が伸びてますよね?

安本 えっ……多分。

与座 伸びてるよ。

宮元 前よりもデカくなってるよね。

――体も大きくなって、普段は65kgくらいありますか?

安本 いや、そんなにはないです。63、64とか。

――なるほど。与座選手については?

宮元 優貴が通ってた空手道場の師範と、僕は中学、高校からの知り合いで。それでLINEで「キックをやりたいっていう子がいるんだけど」「それなら出稽古に来てみたら」というやり取りがあったんです。試合会場で一度会って、年齢を聞いてびっくりしました。「僕より2コくらい下かな?」と思ってたら、20歳とかで若くて(笑)。

与座 (笑)。

宮元 空手の試合映像を見たら「これは強いぞ」と思いましたね。

与座 啓介さんと自分の先輩が繋がってなかったら、橋本道場に入ってなかったかもしれないです。そこは大きいですね。

――与座選手から見た宮元選手、安本選手は。

与座 まず、空手時代は自分しか選手がいなかったので。出稽古に来て「みんなで強くなろう」という環境がいいな、と思いましたし、見たことのある選手ばかりで「ここに入れば強くなれるな」って。

――実際に二人とスパーしてみてどうでした?

与座 啓介さんは結構優しいんですけど、コイツは(笑)。

――コイツ(笑)。

安本 (小さな声で)強くやってないです……。

与座 お互いにいいのが入るとスイッチが入るタイプなんで(苦笑)、最近はスパーをあんまりやらないですね(笑)。

安本 スイッチが入っちゃうんです(笑)。

――安本選手から見た宮元選手、与座選手は。

安本 そうですね、啓介さんはいたら安心するというか。僕がアマチュアに出てた頃は、僕と啓介さんしかいなくて。

――え、選手がたくさんいるイメージの橋本道場にそんな時期があったんですか。

宮元 頻繁に、それこそ毎週とか試合に出ていたのが、僕と晴翔しかいなかった時期はありましたね。

安本 あと、昔は啓介さんとはスパー出来なかったけど、今は出来るっていうのが嬉しいです。

――与座選手については?

安本 与座さんは、そうっすね……、印象は……。ちょっと怖かったですね。

与座 ……だけ?(一同笑)

安本 いや、怖くて、スパーリングもすごい強くやってきて。

橋本師範 同じ大学の先輩後輩だからさ(笑)。

――なるほど(笑)。道場での入門順とは別に、大学での上下関係もあるわけですね(笑)。

与座 最初はホントに全然話さなかったんですけど。

安本 すっごいイジってくるんですよ(苦笑)。

――(笑)。そういえば、与座選手は大学を卒業して、4月からどんな生活をしているんですか?

与座 大学の寮を出て一人暮らしですけど、あんまり家にいないです。スポンサーさんのところで働いたり、フィットネスとパーソナルの指導をして、あとは練習に行って、家に帰って寝ての繰り返しです。だから、道場のみんなとは家族よりも長い時間一緒にいます。

――安本選手は大学2年になりましたね。

安本 夏休みまではずっとリモート授業です。課題がめっちゃ出て大変です。パソコン、苦手で……(苦笑)。

――宮元選手は3月に試合が組まれてて、ずっと調整してきたのに新型コロナで大会は中止。そこから延期や対戦相手変更もあって大変でしたね。

宮元 自分に出来ることをやっていたら、その分、強くなるな、と思ってたんで焦りはなかったです。練習もしつつ、家で家族と一緒に過ごす時間が増えて、子供を見て癒されたりしてたんで。ずっと前向きでしたね。

――なるほど。では前回の試合をふまえての今度の試合についてお聞きします。宮元選手は昨年11月のKNOCKOUT、小笠原裕典選手を相手にさすがの「5Rの強さ」を発揮して勝利。今回は3Rでの栗秋戦。

宮元 3Rしかないし、練習中に師範からすごくハッパをかけられてます。「最初から出ろ」と。師範からはいつも以上の熱とか圧を感じるんで(笑)。いつもと違う、最初からガンガン行く「ニューサイクロン」を見せたいと思います。

――安本選手はまたも対タイ人、しかもタイ人得意のヒジあり、REDルールでの対戦。

安本 今回で3回連続タイ人ですけど、前回の試合では結構切られて、負けたかな、と思ったんですけど、ギリギリで勝てたので。今回はしっかりとKOで勝つことを狙って、年間MVPも狙って頑張りたいです。

――安本選手は「ヒジありルールで打倒ムエタイ」へのこだわりがあるんですか?

安本 僕は、ヒジがあってもなくてもどちらでもいいです。ヒジありに特にこだわってるわけではないんで、負けなければいいです。

――ヒジあり、ヒジなし、どちらもまずは国内NO.1?

安本 そうですね。頑張りたいです。

――与座選手は前回プロ初黒星からの、今回は「世界の久保」という強敵ですが。

与座 久保選手はサウスポーで、プロでは初サウスポーなんですけど。「サイレントアサシン」に(笑)毎日アドバイスを貰いながらやってるんです。

――おお、安本選手から。

与座 今まではキックスタイルに合わせて、無理にボクシングをやろうとしてたのかな、って。今回はそれプラス、空手の技とか、教わったことを出せば勝てると思ってます。「アサシン」には毎日教わってて、試合までに180度違うスタイルになってるかもしれないんで、自分でも楽しみです。

――その「アサシン」安本選手は、この「世界対決」をどう見ているんですか?

安本 蹴り合いになっても、相手よりも与座さんの蹴りの方が全然凄いですし。パンチも、僕が教えてた「あの技」が当たれば倒せると思います。

与座 フフフ。

安本 久保選手はあまり打たれ強くないと思うので。与座さんのあのパンチが当たれば倒せます。

与座 秘策ありです(ニヤリ)。毎日教わってて、手応えがあるんですよ。

――宮元選手は、それこそ安本選手と対戦経験のある栗秋選手との対戦ですね。

宮元 もうアドバイスは貰ってます。ミットをやりながら。

与座 アサシンは意外と喋るんです(笑)。

――そうなんですね。

宮元 僕も秘策だったり、いろいろな情報とかアドバイスを貰ってるのでバッチリです。

安本 啓介さんの場合、体幹とか打たれ強さは絶対に啓介さんが上なんです。ただ、たまに貰ってしまうのが怖くて。それを当てさせなければ、啓介さんがペースを守って、全然勝てると思います。

与座 アサシンはめっちゃ考えてるんです。最近知ったんですけど(笑)。

宮元 晴翔の格闘IQはめちゃめちゃ高いですよ。

――参謀役が安本選手とは意外ですけど、お話を聞いていて納得です。では宮元選手、橋本道場3連勝に向けて。

宮元 僕は3連勝できると思ってます。二人は絶対に勝てると思ってるんで、僕だけが負けることのないように。僕も二人に続いて3連勝します。応援をよろしくお願いします。

 

 

「追記」

座談会の収録後、映画「きみの瞳が問いかけている」(10月23日公開。吉高由里子、横浜流星W主演)の情報が解禁された。横浜流星さんと与座優貴選手の「9年ぶりの再戦」が大きな反響を呼んだこともあり、与座選手に追加取材を敢行。

――「きみの瞳が問いかけている」の情報解禁で、与座選手と横浜流星さんの「再戦」が大きな話題を呼びましたね。

与座 ツイッターとインスタグラムの通知が一日中鳴りやまなかったです。予想を遥かに越える反響で、横浜君の偉大さ、凄さが分かって嬉しかったんですけど、すべて横浜君の力なので悔しさもありましたね。自分の力でこれくらい凄い反響を呼べるようになりたいです。

――撮影中に横浜さんとお話は出来たんですか?

与座 はい、結構話したんですけど、昔のままの「優しい横浜君」でした(笑)。印象に残ったのは、横浜君は「秒単位」でスケジュールが決まっていて、もう自分は「忙しい」とか簡単に言えないな、と(苦笑)。キツい時は横浜君のことを思い出して、頑張ろうと気合いを入れてます。

――公開された格闘シーンでは、横浜さんのヒザ蹴りで与座選手がめった打ちにされてましたね。横浜さんの技のキレとか全身のバネは昔から凄かったんですか?

与座 はい。それに、横浜君は中学の時からヒザ蹴りが得意で、試合でもヒザ蹴りでやられてしまったので、撮影をしながら昔を思い出しました(笑)。

――横浜さんに刺激を受けて、9月13日の久保政哉選手との試合に向けては?

与座 映画で横浜君と共演できたことは人生のいい経験になりました。「格闘技でさらに上を目指そう」という気持ちがもっと強くなりましたね。今回の相手は「世界の久保」と言われる、世界で活躍する久保選手ですけど、競って勝つのではなく、圧倒的に勝って、上に行くための弾みをつけたいです。目の前の久保選手を倒して、無法島GP優勝の西岡(蓮太)選手に挑戦状を叩きつけようと思っています。ぜひ、9月13日のKNOCKOUT、自分の試合に注目してください。

<文・撮影 茂田浩司>

 

 

ザ・サイクロン
宮元啓介(みやもと・けいすけ)

1992年12月16日、埼玉県出身。27歳。168cm。
戦績52戦32勝(11KO)13敗7分。
WPMF世界スーパーバンタム級王者。WBCムエタイ・インターナショナル・スーパーバンタム級王者。WBCムエタイ日本スーパーバンタム級王者。

 

サイレント・アサシン
安本晴翔(やすもと・はると)

2000年5月27日、東京都出身。20歳。173cm。
戦績19戦16勝(6KO)1敗2分。
REBELS-REDフェザー級王者、INNOVATIONスーパーバンタム級王者。

 

極真空手世界王者
与座優貴(よざ・ゆうき)

1997年12月20日、茨城県出身。22歳。170cm。
戦績8戦7勝(3KO)1敗。
第6回世界ウエイト制軽量級優勝、第33回全日本ウエイト制軽量級優勝。