インタビュー

『KNOCK OUT CHAMPIONSHIP.2』強打の「新米パパ」コンビ、スアレック&吉野友規インタビュー

強打の「新米パパ」コンビ、スアレック&吉野友規。
創世のタイガGP優勝&5連続KO宣言!!

 

 4人のチャンピオンが集結し、ワンナイトトーナメントで頂点を競う「創世のタイガGP」にREBELS代表として参戦する「超攻撃型ムエタイ」スアレック・ルークカムイ。そして、デビュー以来4連続KO勝利中で今大会唯一の重量級マッチ(80kg)に出場する「拳闘剣士」吉野友規。二人は同じスタージス新宿に所属。剣道で数々の実績を持ちながら29歳でキックに転向した異色の経歴を持つ吉野に、スアレックはスパーリングを通してムエタイの凄さ・強さ・上手さを教え込み、吉野に合った戦法を伝授してきた。

 新米パパコンビは9・13KNOCK OUTで「創世のタイガGP優勝」、「5連続KO」を成し遂げられるのか!?

 


「ウチの子可愛い」と自慢し合う(左から)吉野とスアレック。

 

「ボクが勝ちます。優勝します」
スアレックから早々に「創世のタイガGP」優勝宣言が飛び出した。
「調子がとってもいいです。今回は練習を真面目にやってきました(笑)。体もいい感じで締まっています」
絶好調の理由の1つは「拳」にある。強打者の宿命で、スアレックも最近は拳の怪我に悩まされてきた。治療をしながら練習を続けて、状態が良くなったところで試合をしてまた痛めて、という繰り返しだったのだ。
「でもコロナがあって、試合の間隔が空いたので、拳もちゃんと治りました(笑)。練習でも思い切って打ってます(笑)」

対戦相手の分析も終わっている。1回戦は「怒突き合いお兄ちゃん」高橋三兄弟の長男、高橋一眞。
「少し、試合のビデオを見ました。高橋は蹴りの選手ですね。遠いところにいると蹴りを貰うから、距離を詰めてパンチで倒します。あと、ヒジは注意しますけど、打ってくるならボクも返します、大丈夫です。問題ないです(笑)」

決勝戦は「サイレントスナイパー」小川翔か、「神撃キッカー」重森陽太か。
「あー、重森だと思いますけど。小川はパンチがあって、重森はパンチが苦手で打たれるかもしれないから、小川が上がってくるかも。どちらが来ても大丈夫です。重森なら蹴りに気をつけて、パンチで倒します。彼はパンチを貰うとすぐに効いてしまうから」
プロ55戦で、ヒジ打ちによる流血TKOを除いて、いまだにKO負けなしという、驚異的なタフネスぶりを誇る小川も、スアレックは「問題ないです」と言い切る。
「小川は背があまり大きくない。だから、やりやすいです。蹴りよりもパンチに注意しますけど、そんなにパワーがなくて、攻撃が重くないから。全然問題ないです」

スアレックは、定期的にクロスポイント吉祥寺へ出稽古に行って、さまざまなタイプの日本人選手たちとスパーリングを重ねている。
自分のムエタイテクニックに、日本人選手がどんな反応をするのか、何をすれば嫌がるのかを熟知しているのも、スアレックの強みだ。
「昨日もクロスポイントに行ってきました。ムエタイゴリラ、T-98(タクヤ)さんとスパーリングして。パワーあります。でも大丈夫です。スピードはボクの方があります(笑)」

スアレックが「創世のタイガGP」優勝に燃えているのは、昨年生まれた子供の存在が大きい。
「名前は茉惟(まい)ちゃん。今、8か月になります。ボクがお風呂に入れていて、練習が終わると家に帰って、一緒にお風呂に入るのが楽しみです」

お子さんのためにも、いつまでも「強いパパ」の姿を見せたい。
「前みたいに飲みにいったりしてないし(笑)、子供のために頑張ります。9月13日のKNOCKOUTでは『強いスアレック』を見せますので。応援をよろしくお願いします」

 

 

吉野友規は、剣道で輝かしい実績を残し、実業団選手としても活躍しながら、29歳の時にキックボクシングに転向。32歳でプロデビューすると、目下、4戦すべてKO勝ちをおさめている重量級のホープだ。

前戦は昨年8月のKNOCKOUT、ロッキー川村(現在はランボー川村に改名?)。1年ぶりの試合になるが、それには理由があった。
「怪我をしてしまって、治るのに半年掛かりました」

試合は、吉野が右ストレート一撃で川村を沈めて、2RKO勝利を収めたものの、それで済まなかった。「俺のバルボアブローでお前を梅屋敷までぶっとばしてやる!」と豪語していたロッキー(当時)もただやられたわけではなかったのだ。
「川村選手の頭がものすごく固くて(苦笑)。殴った時に拳の腱が切れて、手術しました。その後も痛みがあって、殴れるようになるまでに3か月、思い切り打てるようになるまで半年掛かりました。やっと治った時にコロナです(苦笑)」

その間には第一子が誕生した。
「生まれてまだ1か月半で、名前は太陽です。コロナがあって、僕は検診に付き添ったり、出産に立ち会ったりも出来なかったので、嫁が全部一人でやってくれました」

子供が生まれて、戦いに臨む気持ちは変わるのか。
「それ、よく言われるんですけど(苦笑)、変わらないです。僕自身の戦いになるので。子供は子供で、勝負は勝負、試合は試合と割り切ってますね。
年齢も若くないですし、怪我が多くなって、治りも以前よりも悪いです。体がどこまで持つか分からないので、出来る限りキックを続けて、頑張っていきたいです」

今回の対戦相手、竜也は新空手2階級制覇、プロ2戦(デビュー戦に勝利も、2戦目で計量オーバーと体調不良で失格。当時は63kg)の経験を持つ。
「はっきり言うと凄く強い方だと思ってます。経験、経歴も凄いですし。僕自身は技術がないので、気持ちと相手にないリーチや力を出していけばいいのかなと思ってます」

吉野も、さまざま相手とスパーリングを重ねて、戦う準備をしてきた。
「スアレックさんはめちゃめちゃ強いです。気持ち、スタミナ、力、テクニック、どれをとってもかなり違いましたね。
今回は初めてクロスポイントさんにお邪魔して、たくさん揉まれました(苦笑)。日菜太さんとボクシングをさせていただいたんですが、ボコボコにされました。やっぱり強かったですし、自分より格上の方とやらせて貰うのは大事だと思ってます。
勝負なので結果はどうなるか分からないですけど、KO決着が一番すっきりするので、KOに持っていくようにしたいです」

 

「スアレックはコロナの自粛で真面目に練習してます。吉野は世界のモンスターと勝負させたい」
スタージス新宿・江口真吾代表

「スアレックの仕上がりはとてもいいですよ。子供が生まれた時はあんまり変わらなかったけど、コロナの自粛で遊びに行かなくって、家にいる楽しさを覚えたんじゃないかな(笑)。練習もスパーリングも色々とやってきて、いい状態です。
あとは相手次第ですよ。皆、口では『倒したい』というけど、スアレックを前にするとちょこちょこ蹴って、守って(苦笑)。そうなると引っ張り出してKOするのは難しいです。『男の勝負』に来てくれるなら、こちらも倒しにいくので面白い試合が出来ると思いますけどね。
吉野は、ものすごいポテンシャルを持ってます。ただ、80だと少し重くて、78ぐらいまで絞るともっとキレが出ます。だから、ゆくゆくは世界のスーパーミドル級で、黒人のモンスターとやってほしいんですよ。だから、今回の試合はあっさりとクリアしてほしいですね」

 

<文・撮影 茂田浩司>

 

「超攻撃型ムエタイ」
スアレック・ルークカムイ
1986年3月16日、タイ国ウボンラチャタニー県出身。34歳。
165cm。戦績147戦101勝(32KO)35敗11分。
REBELS-REDライト級暫定王者、
第4代REBELS-REDスーパーライト級王者。

 

「拳闘剣士」
吉野友規(よしの・ともき)
1986年5月30日、埼玉県出身。34歳。186cm。
剣道・国体優勝(埼玉県代表の大将)、インカレ3位(明治大学の副将)
戦績4戦4勝(4KO)