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【KNOCK OUT ~The REBORN~】吉野友規インタビュー公開!

「私が『負けたら終わり』と言い続けている理由は……」

3・13『KNOCK OUT ~The REBORN~』の「KNOCK OUT-BLACKスーパーミドル級王座決定トーナメント・準決勝/3分3R・延長1R」で、田村聖と対戦する吉野友規。剣道では輝かしい実績を残し、キックボクシングでもここまで6戦6勝(4KO)。ついに初タイトルが見えるところまで来たわけだが、それでも以前と変わらず「負けたら終わり」と言い続ける。その理由とは……。

 

──デビューから初めて王座が懸かる試合に出場することになりました。トーナメントへのエントリーについては?

吉野 すごいチャンスだと感じて、ぜひ挑戦させていただきたいなと思いました。

──今回、松倉選手の提唱も一つのきっかけとなって、75kgリミットのスーパーミドル級という新階級となりました。この75kgという体重設定についてはいかがですか?

吉野 75kgで試合をするのは今回が初めてになるので何とも言えないですが、順調に体重は落ちています。戦った時にどうなるのかは未知ですが。

──ちなみに通常体重はどれぐらいなんですか?

吉野 83~84kgあります。練習が激しくて、それだけで2kgぐらいは毎回落ちるので、そこに水抜きや食事制限を足せば、すごくキツいというわけでもないのかなと。

──まずトーナメント全体、4人の顔触れについて思ったことは?

吉野 私以外は全員チャンピオンか経験者ですよね(笑)。挑戦者として挑ませていただくという気持ちです。

──その中で準決勝の相手は元NKBミドル級王者の田村聖選手になりました。

吉野 まず「強い」のひと言ですよね。技もありますし、威力もある。身長は177cmということですが、パワーはずば抜けたものがあるなと。

──警戒するのはパンチですか?

吉野 でもローも強いので、突進してくるような技ですかね。ここぞという時に詰めて打ってくる技であったり、逆にこっちが不用意に出たらカウンターで合わせられたりと技も多彩なので、そういうところも強さの一つだなと思ってます。

──ではどう戦ってどう勝ちたいと思っていますか?

吉野 どう勝ちたいというよりも、まずは気持ちを前面に出すということ。それと、強い相手なので自分が力んでしまうと思うんですけど、そういったところを一つずつ相手をしっかり見て戦おうと思ってます。

──そういう点では、前回12月の小泉竜戦の後も反省の弁が目立ちましたが、それを踏まえては?

吉野 前回は、打ち終わりで防御の手が下がってしまうクセがあるので、それを意識しすぎて固くなってしまったんですね。パンチ、パンチで倒そうとして蹴りが出せなかったり、どうしても上半身がすごく力んでしまっていたので、そういったところでも柔らかく打つこと、下半身に力を入れることを考えて戦っていきたいと思っています。

──そこの改善を考えて練習していると。

吉野 そうですね、だから今は力を入れてないです。力を入れずにどこで回すかとか、どうしたら上と下が連動するかとか、本当に基本的なことなんですけど、そういったところですね。ここまで勝ち続けてきたのはたまたまの結果なんですけど、もうパワーだけで思いっきりやったところで勝てないというのは分かっているので、そういった時に戻るところは基本なのかなと思っています。

──そろそろまたKO勝利が見たいという期待も感じられていると思いますが……。

吉野 はい。私の醍醐味はKO勝利と言われてたんですけど、KOを意識しすぎて打っても逆にKOできないと思うので、速さであったりここぞというタイミングであったり、それをしっかりと実戦に生かせられれば、KOにつながると思ってるんですけどね。KOばっかり気にしていても、目の前の勝負に勝たなければいけないので、KOにこだわらず、本当に目の前の勝負を掴みにいくという感じでいます。

──このトーナメント、2つ勝てばチャンピオンということになります。そこへの意識は?

吉野 意識はしていますが、「2勝してやるぞ!」という気はないです。まずは目の前の田村選手が、ベルトとか2勝とか言ってられない相手なので、そこをしっかりと意識して、まずそこにかけたいです。今は反対側のブロックや決勝のことは考えず、田村選手のことだけ考えています。

──また、以前から一貫して「負けたら終わり」と言われていますよね。

吉野 キックをやめる、ということではないんですが、やめざるを得なくなることも出てくるのかなと思ってるんです。私は昼のお仕事をしながら、キックボクシングをやらせていただいてるんですが、プロになって3戦目ぐらいまでは月曜から土曜まで毎日、仕事が終わった後に練習に行ってたんです。それはやっぱりキツかったんですよ。寝る時間もないし朝も早いですし、疲れもすごかったんですが、「やってやるぞ」という気持ちがあったのでここまでは来れました。でも会社側も心を動かされたらしく、最近は「もっとキックに専念してくれ」ということで、いろいろ支援していただけるようになったんです。でも、それって当たり前のことじゃないですよね。

──確かにそうですね。

吉野 私は今年35歳になるんですが、若いうちから土台ができて積み上げてきたというキックボクサーではないですし、もともと多少なりのわがままも聞いていただいています。それを「頑張れよ」ということで背中を押していただいていて、それは何度も何度もチャンスが来ることはないですし、結果が全てだなと思ってるんです。自分の中では頑張っていても、結果によっては応援してくれている人々を裏切ることになってしまうかもしれません。そうなった時に、当たり前のように「これからもまたお願いします」というのはできないなと、自分の中では考えていて。本当は負けた時のことなんか考えたくもないんですけど、「何だよ」とガッカリさせてしまうような試合は絶対できないですし、だったらどんなことをしても勝つという気持ちでいないといけないと常に思っています。一戦一戦、負けたら終わりという気持ちでやらないと、そんな甘えられる状況じゃないなと。

──会社の方々が配慮してくれるようになったのは、試合を見てのことなんですか?

吉野 はい。デビューの時から応援に来ていただいていて、今までは午前中で切り上げさせてくれることとかはなかったんですが、今は試合の前になると「練習に行ってこい」と言ってくれたり、今回なんかは1ヵ月ちょっと、「練習に打ち込め」ということで配慮していただいてるんで。「ありがとうございます」と言うのは簡単なんですけど、この恩をしっかりとみんなが喜んでくれる結果につなげることには責任も感じてます。

──もしかしたらそれは、タイトル以上に重いですね。

吉野 ベルトは正直、本当にほしいです。キックボクサーになって一番のチャンスだなとも思ってます。それもありますが、背中を押してくれてる方々に対して感じているプレッシャーというのもかなり大きいです。それで結果が出て、「気づいたらベルトが勝ち取れました!」というのがベストですね。ベルトから入っちゃうと絶対にコケますから。私はキックボクシングをやる前に剣道を20年やってまして、みんなからは「謙虚だ」とか言っていただけるんですけど、剣道で成果を上げた時にはテングになってたんです。

──そうなんですか。

吉野 でも、テングになっていいことは何一つなかったんですよ。それで結果的に勝てなくなりましたし、そこで一生懸命打ち込んでる人間、他人に「お願いします」と言える人間が代わりに上がっていきました。だから「俺は勢いがあるから、次もぶっ飛ばしてやるよ」とは絶対に言えないですし、それが弱みになるというのは自分が一番経験してますからね。そんな驕れるほど強くないというのは自分が一番分かってますから。だからひと勝負ひと勝負、「お願いします」という挑戦者の気持ちでいこうと思ってます。

──では最後に、今回の試合で一番「ここを見てくれ」という点は?

吉野 パンチが少し変わったと思うので、そこを見てほしいですね。少しは柔らかく打てるようになったと思うので。今までとはだいぶ変わったと思うんですが……試合でそれが出るかどうかはまだ謎なんですけど(笑)。そこは久しぶりに、自分でも楽しみなんです。今までは練習で精いっぱいだったんですけど、それが出せるように、自分でも期待してます。

──ありがとうございました!

 

プロフィール
吉野友規(よしの・ともき)
所属:STURGIS新宿
生年月日:1986/5/30
出身:埼玉県比企郡
身長:186cm
戦績:6戦6勝(4KO)
タイトル:第6回K-1アマチュア全日本大会重量級優勝